当院は津軽地域二次医療圏において、多くの救急搬送患者を受け入れています（2024年度は年間3,266件）。弘前市内にある他の2つの公的病院と共に、地域の救急医療、急性期入院医療において、中核的な役割を担っています。
　入院患者さんの年齢別患者数は上記の通りで、60歳以上で73.3％、70歳以上が58.6％を占めており、症状が比較的重症になりやすく、複合的な問題を有する高齢者の入院が多くなっています。
　また、小児期の患者さんが比較的多いのは当院の産科で出生した新生児の中で入院される方が一定数あること、地域の小児救急医療に積極的に取り組んでいることなどがその理由として挙げられます。

　５大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者さんの数を、初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。UICC病期分類とは、国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の３つのカテゴリーによって、各がんをⅠ期（早期）からⅣ期（末期）の４病期（ステージ）に分類するものです。「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院・他病院を問わずに初回治療が完了した後、当院で患者さんを診療した場合や、がんの寛解後に局所再発、または新たな遠隔転移を来した場合を指します。
　青森県の全県的な特徴ではありますが、当院の患者さんの集計でも、進行がんの状態になっている症例が多く、特に大腸がんではその傾向が顕著となっています。　2023年に消化器内科病棟を設立してから、検査入院を含め早期の治療介入を目指しより多くの患者を受け入れています。

　患者数が最も多いのは重症で全体の約51％にあたります。2022年より超重症患者が増加しており、コロナ感染流行が影響していると考えられます。
　治療は急性呼吸不全の管理、薬剤投与が中心となります。重症度に応じて人工呼吸器やNPPV等も活用し、様々な病態に応じた呼吸管理を行っています。
　また、入院早期からセラピストによるリハビリテーションを開始し、廃用症候群への進展の防止に努めています。

　発症日から3日以内の急性期脳梗塞が69％を占めています。
　再発脳梗塞によって機能低下が著明な症例や、合併症等の管理に時間を要する症例が比較的多いため、平均在院日数も長くなっていると考えられます。
　また、院内の回復期病棟への転棟を考慮したベット調整にて転院率が低くなっています。

　敗血症は、DPCで高額な点数が設定されており、臨床的に根拠のある診断が必要です。敗血症で、DPC病名と入院契機病名が異なる場合の入院契機病名は、主に肺炎や腎盂腎炎などの感染症でした。年齢別に80歳以上が70%を占めており、症状が重症になりやすい高齢の患者さんが多くなっています。

※播種性血管内凝固症候群と手術・処置等の合併は患者数が10未満のため詳細は公表しておりません。